ノー ティアーズ(渡辺由佳里)

 

いやーこれは良かった。

渡辺由佳里さんの長編小説。

 

久々に読んだ長編小説だったけど、

初めからぐぐっと引き込まれて

最後まで駆け抜けた。

 

私はウォールストリートのキャリアウーマンではないし

会社の経営とかM&Aとか、難しいことは分からないし

自分が歩んできた人生とは全然違う物語。

 

でも主人公のジューンが30代の女性として

強く生きようとする、どうにも切ない姿に

なぜか共感した。

 

ジューンはアメリカはボストンに住む日系3世。

舞台はずっとアメリカで、他の登場人物もアメリカ人。

セリフにパンチを効かせるところでは

英語をカタカナにしたルビが振ってある。

アメリカ人が書いた小説を和訳したのかしら?

と思うほどに日本人ぽさがないのが、とても意外だったけど

長年アメリカに住んでいる渡辺由佳里だからこそ書けたのだろう。

 

大好きな俳優が出てるラブストーリーの映画を

観た後のような余韻がすごく心地良い。

本当に素晴らしい作品でした。